「じゃあ、もう…行くね」




寂しそうな笑顔で、美由が言った





「あ、じゃあホームまで見送りに…」



「いいの!」



駅の中へと歩き出そうとした俺と梨衣は、美由の叫びとも言えるような大きな声に、驚いて足を止めた




「いいの…ここで、大丈夫…」



「でも…」



「お別れ…辛くなっちゃうから…」



そう言って、美由は手を差し出した




梨衣は、迷わずその手を両手で包むように握った




「絶対…絶対また遊びに来てね!待ってるから!」






梨衣の言葉は、必死すぎておかしかった







多分、いつもの俺なら笑っているだろう








でも…何でだろう?



笑えないんだ、おかしいと思うのに…