その答えを、美由が話すことはなかった










「もう…時間だね…」



美由の呟きに、俺は何も答えられない





「もう…行かなきゃ…」






立ち上がり、歩き出そうとする美由の手首を掴み、引き止める



「駅まで…見送りに行くから」




嬉しいような、困ったような…そんな複雑な笑顔で、美由は頷いた












美由が何を隠していても、それを聞いてはいけない





聞かない方がいい













俺は、そう心に決めて、美由と並んで歩き出した