「いや…まだ…」



「な~にモタモタしてんのさ!男らしくないな~!」




梨衣が、わざとらしく大きな溜め息をついた





「そっちこそ!橘と、何かあっただろ!?」



少しムッとしつつ、俺は反撃を仕掛けた








しかし、梨衣の反応は、予想に反してつまらないものだった




「何もないけど?変な詮索、してる場合?まったく、私と橘君のことに興味向ける暇があるなら、美由のこと、ちゃんとしなさいよ」







反撃するつもりが、倍返しにあってしまった…





最後の一言が、特に痛い…









そうだよな



人のこと、気にしてる場合じゃないよな…








自分と好きな人のこともちゃんとできないような奴なのに、俺…