「遅い!」


「うわっ!」





ぐるぐるとよく分からないことを考えていた俺は、突然聞こえてきた爆音とも言えるくらいの大声によって現実へと引き戻された



目の前には、梨衣がしかめっ面をしながら仁王立ちしていた




声の主は、言うまでもなくこいつだな…





「あんたねぇ!遅れて来たのに謝りもしないの?」


「あ…悪い」


「美由と橘君にも聞こえるようにちゃんと!」



梨衣にここまで言われるのは癪だけど…まあ悪いのは俺だしな…


「…二人とも、ゴメン…」


「大丈夫だよ~、天ちゃん」


「そんなに待ってないしね」



美由も橘も、笑顔で許してくれた


本当に神様のようだよ、この二人




橘もいったい梨衣の何がいいんだか…




絶対もっといい女つかまえられんのに…