「つ~いた♪このホテルだよ♪」




美由が泊まっているというホテルは、この街でも一番高級なホテルだった




「すっげ~…美由ん家、金持ちだな」



「今回はちょっと贅沢しちゃったんだって」



美由が、えへへと笑った




「本当にここまででいいのか?」



「大丈夫だよぉ!さすがにこんな短い距離だもん、アルバム持って歩けるよ~」



「そっか。はい」



アルバムを渡すと、美由はそれを宝物でも持っているかのように、大切に抱えた




「じゃあ、あしたな」



「うん!」




軽く手をあげて、俺は来た道を引き返した












家へ帰る俺の耳に、美由の、珍しく大きな声が聞こえてきた



「た~か~ちゃ~ん!また、明日ね~!」