あたしはその子に近づき、目線を合わせるためしゃがみこんだ。


「何でこんな所にいんの?お母さんは?」


あたしはニコッと笑いかけてみた。

ところが、女の子はみるみるうちに泣きそうな顔に変化していった。



女の子の顔の変化に、オロオロするあたし。


「えーと、その…」


あたしはあわてて、話を変えることにした。


「あっ、その翼ってコスプレとかなんか?

それにしては、すごいリアルだけど…

でも、すげぇ似合ってる!

それに歌めちゃくちゃ上手いんだな。」


自分でも笑えるほど、あたしは女の子を泣かせないために褒めまくった。

そりゃあ今日初めて会った女の子を泣かしたらあたし、ただのひどい人になっちゃうじゃん!!


こんなに必死になるのもあたしにしては珍しい。



女の子は徐々に泣きそうな顔を緩める。


そして、女の子の顔がだんだん引き締まっていった。


何か覚悟を決めたような女の子の瞳に本当に吸い込まれそうになるあたし。


一体その覚悟を決めた青い瞳にあたしは一体どう映ってるんだろう。


しばらく女の子の瞳を見つめ続けていると、女の子はゆっくりと口を開いた。



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