レイの手から離れた事に気づいたあたしは自分の手を見つめた。



さっきまで手を繋いでたことに恥ずかしさがあったのに、今はなんだか心細くなってる…



まるでお母さんの手から無理やり引き離された子供みたいだ。



あたしはそんな自分に軽く笑ってしまった。


「早く行かねぇと、ご馳走無くなっちまうぞ!!」


あたしはレイにそう笑いかけると、ドレスをわし掴んで、ファイの方に駆けて行った。









「ぼーっとしすぎだ。バーカ。」


全く動こうとしないレイに後ろからノエルがやる気のない抑揚で言った。


レイは我に返ったようにビクッと体を反応させるとノエルの方を振り返る。


頬を真っ赤に染め、驚いたように目を大きく見開いてるレイ。


「すっ、すいません…」


そんなレイに鋭利の瞳を向けるノエル。



こいつ……まさか…



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