「あたしもそっちが着たい!」


「何を言うんですか?ドレス姿の茜菜もとてもお綺麗なのに…」


そうさらっと言ってのけるレイにあたしは顔が熱くなるのを感じた。


「そっ、そんなお世辞はいいって!!」


レイの目を見ていられなくて、視線を斜め下にそらすあたし。


ヤバい、顔が熱くなってきた!



あたしは顔の熱を冷ますために手でパタパタと仰ぐと、レイがあたしに手を差し伸べてきた。


「さぁ、そろそろパーティが始まりますよ。」


レイの微笑みを見たあたしは、差し伸べられた手に視線を動かす。


性に合わないけど、ゆっくりその手にあたしの手を軽く添える。


まるで、どこかの国のお姫様と王子様みたいだ。

すると、レイはあたしの手を優しく包むように握ってくれた。


その手はとても暖かくて、お母さんと同じ温もりを感じる。


誰かと手を繋ぐなんて何年ぶりだろう


ていうか男の人の手ってやっぱり女の子とは違うだな…


そう思うと男の人と手を繋いでる事を更に実感してしまい、また顔が赤くなる。




そんな二人を鋭い瞳でノエルが見ていたことは誰も知るよしもない。




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