「大空に選ばれし者の様子はどうだ?」
「実は…
つい先程、大空に選ばれし者に宝玉を取られてしまいました。」
八方に置かれているろうそくの灯りしかない薄暗い部屋の中で、ハートレスのルーインが片膝をつき、頭を垂れさせ言った。
ルーインの前にはハートレスの頭首が威厳溢れる立ち姿でルーインを見下ろしている。
「ふーん……誰の宝玉?」
「どうやら風に選ばれし者の宝玉のようでございます。」
「へぇ、なるほど。」
ボスはそう言うとルーインに背を向け、こう言った。
「どこまでついてこれるか…楽しみだと思わないか、ルーイン。」
そう問うボスの顔は笑っていた。
少年のように、だけど怪しげに…
「……はい。」
ルーインはその問いに静かに答えた。
今、新たな風が吹く…
to be continue…
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