「……──誰?」



静寂だった部屋に少女の怯えているような、警戒してるような声が響く。




「あんたは…………………フィリアだな」


「……え…」


少女の赤瞳が動揺で揺れる。


あたしがこの子がフィリアだということを決定付けたのは、その赤色の双眸だった。



つまり、二度あたしの夢に出てきたのはフィリア。

最初にあたしをこの世界に連れてきたのはシーラということになる。



「…どうして、どうして私のこと知ってるの?」


フィリアは体と声を震わせながらあたしに尋ねてきた。




きっと怖いはずだ。


あたしだって、知らない人が自分の名前を知ってたら正直怖い…



その時、真っ白い空間でシーラに会った時の、シーラの言葉を思い出した。



「…あたしはあんたのことだったら、何でも知ってるんだ。」



そうごまかした。




シーラのような笑みを浮かべながら……───




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