あたしはすぐさま体を起こし、酸素を吸収する。
あぁ、久しぶり空気…
「茜菜…ですよね?」
黒髪の男、レイが覗き込むようにあたしに話しかけてきた。
レイは驚いた表情で目を大きく見開いている。
そりゃそうだよな、こんなに容姿が変わってるんだから…
「あぁ、ちょいいろいろあってな…
それより、二人共けが治ったんだな、よかった…」
ひとまず二人のけがが治ったことに安心したあたし。
だけど、あたしの姿を上から下の順で見た途端、レイは険しい顔つきになり、あたしの右腕を掴んだ。
右腕にはライオスの爪で貫通した痛みがあった。
でも、貫通した腕の痛みよりいきなりのレイの行動の驚きの方が強かった。
「何がよかったです!?あなたの方がひどいけがをしてるじゃないですか!!」
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