男の荒い口調が聞こえイラッとした俺やけど、素直に従った。
馬車を降りると、そこはでかい屋敷で目を丸くしたのを覚えてる。
そして中に入ると、とにかく金色がいやに目立って、目がチカチカする。
すると、どこから出てきたのか俺みたいな古ぼけた服を着た大人たちが、俺の前に立ちはだかった。
「な、なんだよ…」
俺は人の多さに思わず後ろに後ずさるが、その分大人たちが俺に近づいてくる。
「おとなしくしていてくださいね。」
その中の若い女が俺に憐れな目を向けると、いっせいに大人たちが俺を床に押さえつけた。
「何すんだ!?離せ、離せぇぇえええ!!」
俺は必死に体をよじるが、当たり前やけどぴくりとも動かへん。