「あたし…
ライオスを倒すことなんかできねぇよ…」
だって、ライオスは谷から落ちそうになったあたしを助けてくれたし、
まず、ここまで案内してくれた張本人じゃねぇか。
「茜菜…」
レイはそんなあたしを心配げに見つめた。
「どうすればいい、どうすれば…」
「落ち着いてください。」
周りが見えなくなっていたあたしの肩をレイは揺すった。
あたしは体がびくっと反応すると、すぐに我に返ってレイの瞳を見つめる。
レイはこの状況でもやけに冷静で、あたしは少し疑問に思った。
「大丈夫です。あれを見てください」
指を差した先を見たあたしは目を細めた。