爪も長く伸び、赤い髪も腰まで長く垂れ下がるまでになった。


両頬には赤い線が二本浮き出て、漆黒の翼もどんどん成長し、羽を横に大きく広げた。



そして、ライオスはゆっくりと羽をはばたかせると、天井まで上がった。


「茜菜、大丈夫ですか?」



レイは座り込んだあたしに駆け寄ると、


あたしの手を掴んで、立ち上がらせてくれた。


「まさかライオスが死神だったとは……思いもしなかったですね。」


レイはライオスの変わり果てた姿を見て、相当驚いてる。


あたしも改めてライオスの姿を見上げると、だんだん心の中に迷いが出始めた。