「バカ女!!何ぼーっとしてんだよ。」
「えっ?」
ノエルの言葉であたしはせまい足場の谷を通りすぎていたことに気づいた。
「やっ、やったーーー!!やっと安全な場所に着いた。」
この地面がこんなに恋しいとは思わなかったよぉ…
そしてみんな谷を渡った後、ライオスは話を切り出した。
「さっきも言ったけど、あんたらに話さなあかんことがあんねん。
まぁ、立ってんのもあれやから座りぃな」
ライオスはそう言って、盛り上がった岩を指さして、座るよう促した。
あたし達は言われたとおり、その場に腰を下ろす。
「今から話すんは、あの城に住んでる女の子の話や」
「ライオス、その子のこと知ってんのか!?」
「まぁ、名前は知らんけどな」
そして、ライオスはみんなが分かってくれるようにゆっくり話し始めた。
その話がどれだけ悲しい物か…
あたしはまだ知らずにいた…