風が急に強くなって、シーラの声が途切れ途切れにしか聞こえない。
「えっ!?聞こえない!」
聞き返したが、もうシーラの声が聞こえなくて…
その時だった。
バコーーン!
あたしの足元の道が急に崩れたのは…
「うわぁぁあああ!!」
あたしは叫び声を上げ、谷の底へ落ちていく
と思ったら、あたしの手を誰かが掴んだ感触がした。
上を見ると、ライオスが辛そうに顔を歪ませている。
「ライオス!!だめだ、あんたも落ちちまうよ!」
「何…言うとんねん……そんなんやったら…お嬢ちゃんが落ちるやろ…大丈夫や……俺に任しぃ…」
声を絞り出したような声でライオスはあたしに言うと、勢いよくあたしを引っ張りあげてくれた。