あたし達は今、岩山の獣道みたいなところを歩いていた。
「なぁ、ライオス。本当にこっちであってるのか?」
あたしは不安になってきて、前を歩いているライオスに尋ねると、明るい声で返事が返ってきた。
「当たり前やろ。俺はここの番人やねんから、心配すんなって!」
さも当たり前のように言ってるけど、ライオスの言葉はどうも信用しがたい。
「ああぁー!雑草、うっとおしい!!」
後ろではノエルが道を阻む雑草に苛立ちをぶつけていた。
「ていうか、なんで岩山なのに、こんなに雑草が生えてんだよ!」
「あっ、それあたしも思った!」
珍しくあたしとノエルの考えが一緒で意気投合してると、またライオスの明るい声が返ってきた。
「あぁ〜、それは無断でここに入ってきた奴を倒すためや。
この雑草の中に混じって、人食い花を入れておけば、自然と食べてくれるしな」
アハハハッと笑ってるライオスにあたしは少しばかりの恐怖を感じた。