「ノエルがおぶって運んだんですよ。」


今なんと?


あたしはレイの言葉が信じられなくて、耳を疑った。


「えっ、ノッ、ノエルが!!あのノエルが!?」


そんなあほなーー!


「本当に僕もびっくりしましたよ。ノエルがあんな行動を取るのは初めて見ましたから」



なっ、なんで?



「あいつ、見るからにあたしを嫌ってそうなのに…」


あたしの呟いた声にレイはクスリと笑った後、すっと立ち上がり


「薬を一応用意しましたから、ちゃんと飲んで下さいね。」


と言って部屋から出て行こうとした。


「えっ、ちょっ、ノエルはどうすんの?」


こんなとこに置いていかれても困るんだけど…