「茜菜!!起きたんですね。よかった…」
レイはあたしを一目見て、安心したような顔をした後
机におぼんを置き、あたしのベッドの傍ら(かたわら)にあるイスに座った。
「ごめん。心配かけて…」
あたしはそんなレイに謝ると、レイは優しく微笑んで、首を横に振った。
「謝らないで下さい。茜菜が無事なら、それで僕はいいんです」
あたしはそんなレイの優しさに心から感謝した。
「そういえば、ここどこ?」
「ここはさっきの店の向かいにあった宿です。」
へぇ…そうなんだ…
「レイかファイがあたしをわざわざ運んでくれたの?」
あたしがそう尋ねると、レイは悪戯な笑みを見せて、寝ているノエルに視線を向けた。