「わっ、忘れてなんか…ないよ!」
「ぜってぇ忘れてただろ!!
どれだけ俺を振り回したと思ってんだ…」
あたしはシチューの入ったスプーンを口に入れながらまあまあ、と言って宥める。
「それにしても、このシチューうまいな!!」
「そうっすか!それ、俺が作ったんすよ!」
ファイは嬉しそうな顔であたしに言った。
「えっ!まじで!ファイって料理得意なんだ。」
「そんなことないっすよ。全然」
ファイは大きく手を振って否定するが、褒められたことで顔が赤くなっている。
ファイは否定してるけど、やっぱりあたしが作ったのより断然おいしい。
あたしはそのシチューを夢中で食べていたが、ちらっとノエルを見るとシチューに一口も口にしていなかった。
.