「お前に言われなくても着るわ、ボケ!!」 あたしが指摘するとノエルはそう吠えだし、服を着、赤いバンダナを頭にくくりつけた。 それを見計らって、あたしはノエルの手を掴んだ。 「ほら、早くぞ!!」 そう言って急かすあたし。 「いてっ!てめぇ、強く引っ張んじゃねぇ!!」 そうノエルは喚くが、あたしは聞く耳を持たず、引っ張り続けた。 そんな2人の様子を一面の闇に輝く満月だけが優しく見守っていた。 .