あたしはそのぬくもりを見上げると、ノエルの大きな手がそこにあった。
ノエルはあたしに目を合わさないように前を見つめてるが、少し頬が赤い気がする。
「ノ…エル…?」
ところが、その手であたしの頭をぐしゃぐしゃに掻き乱した。
「何すんだよ、てめぇ!!」
あたしはぐしゃぐしゃになった髪を整えながらノエルに怒鳴りつけると「うっせい!!」と怒鳴り返されてしまった。
「気しょくわりぃんだよ!普通にしてろ、普通に!!」
あたしはその言葉に唖然とした。
もしかして…
「あたしの事、心配してくれてるのか…?」
すると、ノエルは過剰に体をびくつかせた。
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