あたしは意地でも聞きたい衝動に駆られたけど、歯を食いしばって堪える。


『そんなことより、茜菜には今から行ってほしいところがあるの。』


「行ってほしいところ?」


『うん!!』


あたしは首を傾げる。


女の子はそんなあたしを上目づかいで見上げた。


この子、絶対魔性の女になれる素質あるな。



「どこだよ、あたしに行ってほしいところって?」


『異世界。』


へぇ…異世界ね…異世界…って…


ええぇえぇぇえぇ!!


「いっ、異世界!!」


えっ、異世界ってあの漫画とかアニメとかの!?


あたしは異世界という言葉に急にテンションが上がる。


ファンタジー好きの私にしてはもってこいの話だ。


「…でも、なんであたしがそこに行かなきゃならねぇんだ?」




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