振り返ると…




総…


「あっお疲れ様です!!」


「家の方向一緒だよな!?一緒帰ろうぜ。」


「えっ!?でもっ…」


「嫌なら無理にとはいわないけど。」


「いや!そんなことっ!ただ…」


「ただ?」


「いや、迷惑にじゃないかなって…あんまり私みたいなのと歩いたりしたら…」

「そんなの気にしないよ。」

総はケタケタ笑いながら言った。


総とは少し距離をとりながら歩いた。



先に私の家に着いた。


家につくまでちょこちょこ話をした。


大した話ではないけど…


私の実家のことや、東京に出てきてからの話。


総は自分の事を話すより私の話を笑いながら聞くばかりだった。



「お疲れ!じゃまたな♪」


「はい!すいません。なんか私ばっかりしゃべっちゃって。」


「全然!!じゃまた!」


「はい!ありがとうございましたぁ☆」


そして総は帰って行った。
毎日楽しく仕事してた。


ななと。 メンバーのみんなとも信頼が深まり、

充実した日々を送っていた。


そんなとき…


私の携帯がなった。


お姉ちゃんからだった。



なんだろうな?



「もしもし?今大丈夫!?」


「うん。どうしたの?突然めずらしいじゃん。」


「落ち着いて聞いてね。今日パパが事故ったゃってね、それでっ」


「うそ!?うそでしょ!?どうなの!?大丈夫なの!?」


「ちょっ心!!だから落ち着いて聞いてって!」


「ごめん…。で?」


「うん、大したことはないみたい。ちょっと車でぶつかっちゃったみたいで…足の骨おっちゃったみたい(笑)」


「そうなんだ〜よかったぁ!」
「うん!だから心配ないよぉ!仕事忙しいんでしょ?頑張れ♪」


「ありがとぉ〜。」


よかったぁ。でも心配だな…


久しぶりにお姉ちゃんの声聞いてちょっとうるっときちゃったな…。


次の日の仕事。


やっぱりパパのことが気になって身が入らない。
私のパパは公務員でしっかりもの。


何を聞いても答えてくれるし、頼りになる!


姉妹3人ともパパが大好き!!


でもここまでパパの事を尊敬して好きになるのには理由があった。



私の家族はパパとお姉ちゃん、私と妹の4人。


ママはいない…。


ママは私が高校のとき病気で死んでしまった…。


あの時私はショックのあまり何も口にせず…何も話さず…ぬけ殻のようになってしまった。


救ってくれたのは家族だった。
ママが闘病中、パパは毎日病院に通って看病していた。


愚痴一つ言わず、私たちの世話をしながら…


きっとパパだってきつかったはず。


でも自分がしっかりしなければと頑張ったんだろう…

ママの余命を聞いたとき、パパは隠さず私達に話した。