お風呂から上がると、総とお父さんがリビングで何やらはなしていた。



「心ちゃんはいい子だと思うが…先の事考えてお付き合いしてるのか?」



「うん。アイツとは本気で将来一緒になりたいと思ってる。」



そんな会話が聞こえてきて顔がニヤけてしまう。


でも…




「だがあの子は熊本の子だろう?もし一緒になるならお前も避けては通れない壁にぶつかるぞ…。」



「いずれは熊本にも足を運ばないといけない日がくる。母さんの事、思い出して辛くなりはしないか?」



「母さんの事はもう思い出さないから平気。」



「そうか?ならいいが。あの子の料理、母さんの味に似てたよ。俺は思い出しちまったな…。」




寂しそうな顔でお父さんは話していた。