「……大、天使……殿」
「無理に喋るな……」

起き上がろうともがく腕を下ろさせ、
静かにその力無い体を抱きしめる。

「……痛い……っ、痛いです……
  体の痛み、と。彼らの欲にまみれた思想が、刺さる……」

「……何も、喋らなくていい。無理するな」

キラは泣いていた。
彼女は部下の一人だった。
リフの先輩にあたる者で
巡回の途中だったのだろう。

「……ありが、とう……どうか、    お気を付け  て」

とぎれとぎれに紡いだ言葉のあと、
彼女は動かなくなった。

「リフ、……本部へ」

「……はい」