「……私、会えるかな」

同じ場所に行けるのだろうか、
と静かに目を伏せた。
姉が美しい所にいると
わかっただけで、嬉しい
けれど、まだ小さなこの子は
自分も姉と同じ場所でなければさみしい。と

「あいつにまかせな」

リフは親指で後方にいるキラを指差した。
シャーリィはまた首をかしげる。

「黙ってたけど
……あいつが案内人だ」

安心して、任せればいい。
リフがそういうと、キラは静かに息を吸い込んだ。

そのあと、水が流れるような静かな歌声が
廃墟を包み込んで
 宵闇の中に淡い蛍のような光が満ち始める。
キールは『魔』であるにもかかわらず、
その光が好きだった。