すねたような口調で言うと、
キールはふわふわと漂いながら
森の奥へ消えていった。

「……あいつは」

「……の、…………だよ……」

森の奥の奥の方、
シャーリィは小さな鳥に話し掛ける。

「…………なの」

道を聞いている。
鳥はシャーリィの言葉を聞いて翼を広げ、
西の方角へ向かって一度ピィ、と鳴いた。

「……うん、ありがとう」

たどり着いたのは森の奥の小さな倒壊した教会。
その奥にシャーリィはゆっくりと入っていった。

「シャーリィ、シャーリィ!!」

声を張り上げ、森の奥へ奥へ
キラは進んでいく。

キールはキラの先を行く。

「うるさいなぁ、もぉ……」

でもキラがあんなに必死なのは
初めて……いや、何十年ぶりのことだろう。
キールはふっと笑みをもらした。

「あいつの本気が見られるのかな?」

キールは楽しそうに笑った。

これから起こることを期待して、
そして、この先見られるキラの顔を予想して。

……廃墟を抜けて、
抜けてたどり着く場所はどこか

心の奥へ

気づける場所は何処なのか



教えて