ついさっきこのあたりを通ったなら
そう遠くには行っていないだろう。
何処に
「キーラッ」
ハッとした瞬間、
視界が真っ暗になった。
驚いて振り返ろうとするも、
目隠しされた手が邪魔で出来ない。
「だぁれだ」
心底楽しそうな声で、
目隠しの手の主は笑う。
「キール……」
聞きなれた声に
キラはため息をついた。
「なぁんだ」
わかっちゃうんだぁ。
キールは冷たい手を離すと
キラの目の前に回りこんで
満面の笑みを浮かべた。
「お久しぶりィ、
僕の事覚えててくれたんだねぇ」
「覚えるも何も、
お前は俺の仕事敵じゃないか」
「んん、確かにィ」
顎に手を当てて考え込むふりをしてキールは笑いかける。
「もう会えたの?」
「いや……」
「案外僕のほうが見つけるのが早いかもしれないね」
キールはニィ、と不気味に笑って見せた。
キラは目一杯憎しみを込めて睨みつける。