「あんた、なんとかしてくださるんですかぃ」

「ああ、死神の仕事だからな」

ははぁ、あんたさん死神だったんだ、
と烏は妙に納得したように頷く。
そして、右の翼だけばさっと広げて烏は言った。

「そんなら、教えよう。
ここを女の子の霊が通りましたぜ」
「本当か」

「あぁ、ついさっき」

どこへ向かうのかもわからない感じで、
足取りはふらついていて
変な子だったと烏は言う。
意識もなく彷徨う霊魂にありがちな行動で
なにかしらこの世に未練がある場合は
そうやって
この世にとどまって
ふらふらと当て所なく徘徊するという。

「ありがとう」

「礼には及ばんよぉ、
あっしらもこのニオイは苦手なんでさぁ」