「僕はもう行くよ〜。
魂の在り処を知っておかなくちゃあね」

山一帯にけらけらと笑い声を響かせながら、
黒い翼の彼は消えていった。

祈るような気持ちでリフは夕日を睨む。
刻限は明日の陽が傾くまで。

「シャーリィ、……」

声を枯らして、
キラはその場に立ち尽くした。
烏たちが家に帰ろう、と鳴き交わしている

日が落ちる。

「……そんなとこでなにしてるんですかぁ」

一羽の烏がキラの足元に降り立った。

「……おまえは……」

「ここの烏でさぁ、
あんたさん、なにしてらっしゃるんですかぃ、
もう陽も落ちますよぉ」

首をかしげて烏は小さく鳴く。
キラは、
はぁ、とため息をついて烏を見やった。

「霊魂を探しているんだ」
「……ははぁ、ここら生臭いとおもったんだぁ」

烏はばさばさと翼を震わせて
ああ、嫌だと首を振った。