「う・・・」
ちかがなんか言いたそうで、私はちかの言葉を待つ。
「・・・嘘だよ!だって、さっきみく・・・」
「さっきって・・・」
ちかの言葉で、高橋にキスされたことを思い出す。
「あれはっ・・・ただ、誰にも聞かれないように、耳打ちを・・・」
ぱっと、誰でも思いつくような嘘を言ってしまった。
それでも、ちかは黙っている。
「・・・ちかぁ、みくみ、今までちかに嘘ついたこと・・・あったかな・・・?」
嘘、ついたよ。
けど、ちかが今まで嘘ついたことなかった私を信じてくれないのが、少しショックだった。
ちかは私の言葉を聞いてすぐに私を見た。
私はきっと今、凄く悲しい顔をしていたと思う。