「離さない。」





・・・は?


「何言ってんの!」


私は高田を睨む。


けど、高田は真っ直ぐな目でこう言った。


「離したら、逃げるだろ?」


何を言っているのか意味不明。


「意味わかんない!うーでっ!痛いから離してって言ってるの!!!」


「・・・いいよ」


高田はゆっくり手を離す。


私は自分の腕を見る。


少し赤くなった腕を見て私は言った。


「ちょっと・・・本当痛いんだけど・・・」


私はため息をつく。


最悪な人。


なんでこんな人をちかが好きになったのかわからない。


それに、どうして私がこんなめに合わなきゃなんないの!?


「きゃっ・・・!」


いきなり高田が私を引き寄せる。


ぎゅっ・・・


強く、強く抱きしめられる。


え?


は?


何?


この人、何考えてんの?




私は高田の胸の中でパニック状態になり、体がかたまる。