「瑠衣ちゃん」


優しく声をかけたのは紅聖だった


瑠衣は驚いて顔を上げた


「厳しい質問だけど瑠衣ちゃんは西條瑠衣?杉原瑠美衣?どっち?」


瑠衣は紅聖の言いたい事がわかった


まだ幼くて本当の家族の記憶はなかった

しかし、兄の話しを聞いたら本当に大事に育ててくれたのはわかった


その家族を壊したのは私の記憶のある家族


会社の為だけに育てられた。兄達は優しかったが心は寂しかった


そして会社の為に見合いし…あの日…