「え〜っと…そうですねぇ……」


何やらズボンのポケットから手の平サイズの小さなノートを取り出しペラペラとめくる部長の姿は、何だかネタ帳を開く芸人のようだった。




「早くして下さ〜い」

「ないなら終わりましょうよ」



私たちの目的は勉強じゃない。



……遊びだ!!




ウンチクなんか聞いてられっかぁ〜!!


早く宮城敦也と海辺で腰を下ろして語らうんだぁぁぁぁぁ!!!




「ちょっ!ちょっと待って下さい」


ん〜っと唸り声をあげながら、まだノートをペラペラめくる…


「早くして下さ〜い」



よくよく考えたら、別荘に来てから宮城敦也とろくに話してない。


早く海辺でラブラブ計画を遂行せねばっ!




「……っあ!
何故、男と女が互いを求め合うか知っていますか?」


ん?それはちょっと気になるかも。



「何でですか?」


わからない。

何故求め合うか…


男は女に惚れ、女は男に惚れる。

それが当たり前で、何故かまでは考えたことがなかった。



寂しさを埋めたくてとか?

喜びを分け合いたくて?


何で私は宮城敦也に惹かれたのだろう。