私の親と宮城敦也の親が仲良しなら…今頃、私たちもこの二人のように婚約者になっていただろうか。
婚約
……イイ!!
『こんにちは。私、宮城敦也の婚約者で、高畑朋と言います。』
と自己紹介をする自分の姿を想像して、これまでにないぐらいに興奮した。
「…そんな。若い婚約者だなんて…」
「……高畑さん?」
……しまった!!
妄想の世界にどっぷり入り込んでしまっていた。
まさか青木先輩の言葉で我に返る日が来るなんて。
高畑朋!一生の不覚!!
恥ずかしくて青ざめた顔で青木先輩を見ると、冷めたような目で私を見ていた。
「うわぁ〜ん!!何でもないです〜!!」
そんな冷たい目に耐えられず、私は泣きながら無我夢中に走って逃げた。