背筋に寒気を感じながら、どう対応すればいいのかもわからず…必死に言葉を脳みその隅から隅まで探していた。
「…あぁ、すまん。こいつは極度の人見知りで、知らない奴に声をかけられたらこんな喋り方になるんだ。」
青木先輩は無理やり背後女性霊をひっぱり青木先輩の前に出した。
「あわわわっ!よ、よろしくお願いします!」
小柄な女性は、髪は肩ほどで緩やかなふんわりパーマだった。髪の色は茶色くて、カジュアルな服装。
…これで背後霊じゃなかったらモテるだろうに…
「あっ!初めまして。高畑朋です。よろしくお願いします。」
簡単に挨拶をし、深々と頭を下げ、再び顔を上げると女性の姿はまた青木先輩の背後へと消えていた。
「…。」
「コイツの名前は、石黒双葉(イシグロ フタバ)。
俺の婚約者だ。」
へぇ〜…婚約者。
こんなに人見知りな婚約者…大変ですねぇ〜…
エェ!?
「婚約者?!」
「そうだ。」
エェェェェエエエ?!?!
この若さで婚約者?
私なんてつい最近初めて彼氏ができたのに…。
「俺の親とコイツの親が仲良くて、生まれてくる前から結婚することに決まっていたのだ」