その影は、あたしの隣までやってきて、何も言わずに腰掛ける。


あたしは行き場を失い、立ち上がった体を、また椅子に収めた。


隣の彼は、頭をかいたり首の骨を鳴らしたり、どこか落ち着きがない。


「おまえ、何、学校休んでんだよ」


天井を見上げた彼が、いつものようにぶっきら棒に声を出す。


謝らなきゃ、謝らなきゃ、謝らなきゃ。


あたしの頭の中は、彼にどのようにして謝るかでいっぱいだった。


だって、明日学校で謝ろうと思ってたのに、こんな不意打ち、動揺するに決まってる。


謝る内容、全部吹っ飛んじゃったよ……。


でも、とりあえず頭下げ……。




「わりぃ」

「……!?」


驚きのあまり、隣に腰掛ける彼の顔を覗き込んだ。


バツの悪そうな顔をして、目を泳がせている。


謝るのはあたしの方で、あんたは何も……。