あいつ、いつもあたしの事話してるの?


いったい、何を――…。


「あ、家では隠し事は禁止になっててね」


疑問を抱くあたしに向かい、大ちゃんがウインクをしながら言う。


あたし、いつもあいつの傍にいたけど、あいつにとって、なにかプラスになるような事があったのかな。


少しは、あいつの力になってあげられてる?


「恭平ね、最近学校行くの楽しみにしてるんだよ」


大ちゃんの言葉に、あたしは忙しく動かしていた手を止めた。


あいつが……。


学校、楽しいって思ってくれてたの?


まだ、誰も彼に話しかけてくる人はいないのに?


「恭平はね、ああ見えて人一倍さみしがり屋なところがあるんだよ。
恭平の両親の事は、もう聞いてるかな?」


大ちゃんに聞かれ、『はい』と相槌をうつ。