「いやー、莉奈ちゃんおもしろいね。
そんなかしこまらなくていいのに。やっぱり、恭平が話していた通りの子だ」


おじさんはそう言って、椅子の上で転げまわっていた。


「あっ、ちなにみ私の事は『大ちゃん』と呼んでくれ」


……大ちゃん。


なんか、陽気な人だ。


話し出したかと思うと、お腹を抱えて笑い出した。


あたしの頭を混乱させた通称『大ちゃん』は、笑い過ぎて涙目になった目をごしごしとこすっていた。


なんか、子供みたい。


あたしが面くらって、声が出せないでいると。


「ところで、莉奈ちゃん」


さっきまで笑い転げていた事がまるで嘘のように、急に真剣な顔になった。


「は、はい」


真剣な顔になると、大人の凛々しさで一気に気持が引き締まる。


不思議な人だ。