そうだ、この人が『太陽の家』のご主人だ。


そんなに背の高くはないおじさんは、一目見ただけで人の心を落ち着かせる不思議な雰囲気を持っていた。


年齢は……40代前半だろうか。


優しく微笑む目尻には、笑いじわも出来ている。


ものすごく優しそうな人。


あいつの、見た目とは違う優しさは、きっとこの人と毎日一緒に過ごして培われたものなのだろう。


この人は、彼が前に進めるきっかけを作った人だ。


それだけで、すごい存在の人なんだなって、急に心が引き締まる。


「あの……」

「うん?」

「すみません。挨拶が遅れてしまって。
あたし、あの、恭平君と同じクラスの、新森莉奈と申します。
恭平君とは仲良くさせてもらってて、あの、何度か家にお邪魔させてもらっ……」


「ははははっ!」


緊張のあまり、大きく身振り手振りするあたしを見て、おじさんが突然大声で笑いだした。


静かで落ち着いた人だと思ってたから、そのギャップに目を白黒させてしまう。