もとからこんなに優秀な才能を持つ生徒達ではなかった。
ここまでのし上がれたのは、とある先生との強くて深い絆があったから。
その先生は陸上部の顧問で、元いた高校でもたくさんの生徒を全国に出している先生だった。
ただ厳しいだけじゃなくて、優しくて面白くて、信頼ができる。
そんな先生は、日常生活でも皆の人気者。
俺たちを支えてくれる。
そんな大好きな先生が…
悲劇にあったのは、俺たちの大会の日だった。
『君倉!!!!!!』
『!!! ……せんせ…っ!!』
居眠り運転のバスにひかれそうになった君倉先生をかばって、逆に先生が轢かれて
亡くなってしまった。
たくさんの生徒からの信頼があった先生。
亡くなったのは君倉先輩をかばったから、だから、陸上部のせいで死んだんだ。
そういって、責められることも少なくはなかった。
むしろ、多かった。
君倉先輩は目に見えるようにやつれて、壊れて、いつも泣いていた。
毎日のようにとぶ批判のせいで、俺達の精神的な面でも負担が増えていた。
そして、ある程度時が過ぎた後にきまった陸上部の顧問はやる気もなくて、つまらなそうにしている顧問。
先生との温度差を感じて、少しだけなえてしまった。
そして、そんな時だった。
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