父親から潤也に引き渡されるとき、ふと見た父親の顔。


穏やかに笑ってはいたけれど、どこか寂しげで少し涙目になっていた。



『娘を…よろしく頼みます…』



小さい声で潤也に言い、あたしから離れた。




今まで見たことのない表情の父親。




あたしの事も大事に思っていてくれたことに今更ながら気づいた。