『うん、ありがとう』



香月は穏やかな顔をして、でも意志の強い眼差しで


『でも、あたしはもう潤也だけだから。
あたしが好きなのは潤也なんだ』


そうはっきり言ってくれた。




『あら、はっきり振られたわね。

ほら、言いたいことも言ったし教室戻るわよ』



藤原さんは気を利かせて今村瞬を連れて帰ろうとした時



『おい』



今村瞬が俺に声をかけてきた。




『え…?』



今までまるっきり無視されてたのにいきなりなんだろう…?


香月と藤原さんも驚いている。






『香月のこと…頼んだ…』




その一言だけ告げるとさっさと屋上から出て行こうとしていた。




俺はとっさに今村瞬を追いかけ



『大事にする!!一生かけて大事にする!!』




今村瞬の背中に向かって叫んでいた。





今村瞬は振り返ることはしなかったが、

ヒラヒラと片手を上げて返事してくれた。