『うん、記憶…戻ったよ』



忘れられるはずもない濃い日々の事を。



『そうか…。良かったな』




心なしか、少し寂しそうな顔をして

瞬はあたしの頭を撫でた。



『…そういえば、瞬何か言いかけてなかった?』




言わなきゃいけない事がある、とか何とか……




『…いや、いい。

大したことじゃない』



『そう?』



『そ。』



と言いながらも、

あたしには瞬が無理して笑ってる様にも見えた。