あの角を曲がって、大通りに出たら話を始めよう…!!



あたしは意味の無い決め事をしながら

切り出すタイミングを計っていた。



きっと瞬は、アパートを出てからのあたしの挙動不審な態度に、

何か感づいているだろう。




何とも言えない雰囲気の中、
あたし達は無言のまま歩き続けた。



そしてついに、お…大通りに出てしまった…!!



よし…。



『香月。』




『え?』



あたしが話し出そうと意気込んだら、

瞬から話しかけてきた。




『俺、香月に言わなきゃいけない事がある…』




瞬が…?


なんだろ?




『あっ!!
瞬!信号が変わる前に横断歩道渡るぞ!!』




あたしは瞬の手を引いて横断歩道に急いだ。