『ごめん、お待たせ』




直ぐに戻ってきた潤也は、あたしの分もジュースを買ってくれた。




『あっちの木陰のベンチに座ろ』




『うっ、うん…』




勢いで来たはいいが、何を話せばいいのかわからない…。




うう…情けない。





『俺は、中野潤也』



『え?』




あたしが横を向くと、潤也は優しく微笑んでいた。




『バスケ部の一年で、
入学式の日
香月の携帯を拾った事がきっかけで、

友達になったんだ』


携帯を拾ってもらってからか…




『てかさ、どうして…あたしに高校からの記憶がないって事知ってんの?』



あたしが質問すると潤也は少し悲しそうな目をしながら答えた。


『実は、学校で香月の担任の先生が話してるの聞いてしまって…。


そして、さっき話しかけた時に確信したんだ』




『そっか…』



そういえば、病院に高校の担任も来てたな。