俺に睨みをきかす今村瞬。





その視線に香月も俺を見た。




香月が…俺を見ている。




傷がまだ痛々しい。



『香月…』




思わず名前を呼んでしまった。




だけど、香月は……



やっぱり俺を覚えていなかった。





本当にその場で大声で泣いてしまいたかった。



何とも言えない苦しさ。



俺はこんなにも香月でいっぱいなのに



香月の中に俺は存在しないなんて……