しばらくして、義母が待合室に戻ってきた。




みんなの視線が一気に義母に集中する。


『…香月ちゃん、命に別状はない様です。

外傷も出血のわりに大した事はないみたいで…。


今の所、検査でも異常は見当たらないと、医師の方がおっしゃってました。』




みんなその言葉に胸をなでおろした。




だが、義母は言いにくそうにまた口を開いた。



『…でも、…まだ意識が戻ってないみたいで…』




『いつ戻るの?』



るいが冷たく質問する。




『こればっかりは…誰にもわからないみたいなの…』



義母の曖昧な返答にイラっときたのか、



『…じゃあ、一生意識が戻らない場合もあるの?

それって命に別状がないって言えないんじゃないの!?』




るいが珍しく声を荒げている。




『…るい、今は助かる事だけ考えてろ』



アキラさんがるいをなだめ、何とかおさまった。