はぁ――…


深い溜め息をつきながらあたしは車から降りた。



校門から教室までが遠いな…



あたしが校門の前に突っ立っていると


どこからか、あたしを呼ぶ声が聞こえてきた。



『香月ちゃん!!待って!!!』



その声に振り向くと

佳菜が反対車線の道路から
必死にあたしの名前を叫んでいた。




『佳菜…』



あまり会いたくない相手に
初っぱなから会ってしまった。




会っても上手く笑える自信がない。



あたしは佳菜を待たずに先に行こうと、身をひるがえそうとした時、



横断歩道を走る佳菜に猛スピードのトラックが近づいているのが目に入った。



『佳菜ぁ!!!!』



あたしは考えるより先に体が動いていた。



あたしは横断歩道を走る佳菜を

思いっきり突飛ばした直後、





トラックにはねられた。